合格への道のり
今回のブログでは、私が国語を担当した、大阪大学外国語学部に現役合格してくれた生徒さんの話をしたいと思います。
背景
A高校に通うKさんは高三の9月まで部活にどっぷりの生活を送っていました。
ゴーズには夏までは自習室と共通テストの現代文講座だけの利用でした。
Kさんの目指す阪大外国語学部は英語、国語、世界史(または数学)の3科目が二次試験科目です。また共通テスト125点満点、二次試験500点満点という圧倒的に二次比率が高い学部であり、二次試験の国語はおおよそ55%〜60%が合格ラインです。そして阪大の外国語学部の国語は評論文が2題、古文1題で、90分という構成です。(文学部のみ小説と漢文があります)
彼女は帰国子女だったので英語は心配していなかったのですが、流石に国語に歯が立たないとマイナス点数を英語で埋め合わせができないので、しっかり対策をする必要があると考えておりました。高3の9月時点で世界史の範囲も学校で終わっていなかったので、国語単体で合格ボーダーに乗るように導いていかねばなと思っていました。
授業方針
授業時間90分の中では、9月から『阪大の国語15カ年』という、タイトル通り15年分の過去問の詰まった問題集を毎週1年ペースで解いて行きました。前日までに解答を送ってもらい、それを毎回採点して授業に臨んでいました。最初は評論の時間が足りなかったり、漢字が出来なかったり、古文単語や背景知識が覚束なく、100点換算で30点程度という年度もありました。
授業スタイルとしては、90分の中で、古文を45分、評論45分に分けて解説します。
私の指導方法として古文は生徒に全訳させることを信条としています。古文を自身の力で訳せるようになるために、最初はたどたどしくとも、それでも全てを訳させていました。そして訳に詰まった部分があるとその都度単語や文法の確認をし、一通り読み終わってから、問題の解説をしていました。また宿題では5回音読を課していました。理由としては難関大ほど、漢字をあえて平仮名に変更し、読みづらいようにするので、古文のリズムを掴ませる必要があるからです。
評論文は、できたポイントを確認し、解答で足らなかった部分についての解説をメインにしていました。「なぜ減点されたのか」「どこが解答として必要なのか」を論理的に解説して行きました。出来の悪かった問題は解説を聞いた後で解答を作り直してもらい、再度採点して返していました。また阪大などの旧帝大は、設問ごとに大学側の意図があります。よって「抽象度の高い本文を具体化することを求めている」「まとめ問題として要約を求めている」「対比とその基準を求めている」など各設問がどの種類に該当するのかを最初に確認し、それが理解できているかも見ていました。阪大国語の解答のポイントは字数によりますが、3〜4ポイントあります。2ポイントは抜き出しで作れるのですが、残りの1〜2ポイントは自力で答えを追加する能力が求められます。それを15カ年通して練習して行きました。
そして12月の終わり頃、河合塾の「阪大オープン」で彼女が国語で2900名中6位を取ってきてくれた時はこれはいける、と確信した瞬間でした。本人以上に私が喜んでいたかもしれません(笑)
冬季講習では難易度を少し上げる意味も含め、文学部の評論と古文に取り組みました。特に古文では単語レベルが上がるので苦戦しましたが、文脈を判断して読む良い練習になりました。
入試直前の1月2月では、最新の過去問を解き、直近の入試形態に慣れる練習をしました。この頃には合格ボーダーをコンスタントにしっかり取れるようになってきていましたので、十分に合格できる、と思っていました。
そして3月9日の朝9時、合格の報告が届いたときはとても嬉しかったです。Kさんの凄まじい努力とご家族のサポートが結果として桜咲いてくれて本当に良かったと思いました。
ポリシー
私は授業に「楽しさ」を盛り込むことをポリシーにしています。
点数が上がることはもちろんなのですが、「難解な文章を理解し自分の知識の幅を広げる面白さ」「解けなかった問題が解けるようになる喜び」を感じてもらえるようにしています。
特に一対一の授業なので、細かい知識を聞いたり、プラスαを教えて興味を引き出す工夫を凝らしています。毎回1〜2ネタは仕込んでいます。
例えば2021年の文学部に東浩紀氏の『観光客の哲学』からの出題があったのですが、東氏の専攻であったジル・ドゥルーズのフランス哲学についての「誤配」という概念について豆知識を教えていました。また2022年外国語学部に『紫式部日記』が出たときも、この場面は夫が亡くなった後だから物憂げな気持ちなんだよと本文やリード文にない部分も補足説明したりしていました。
生徒が「ヘェ〜なるほど」となるのは教えている側も楽しいものです。私は生徒と同じくらい、自分も解説を「楽しむ」ことを信条としているので、それが彼女の知的好奇心を刺激し「楽しい」と思ってもらえるような正のスパイラルが出来上がったのかなと思っています。
さいごに
国語は感性で解けるか決まると思っておられる方も多いと思います。
しかし、特に大学入試で出題されるのは明確に「論理が定まった」問題です。とりわけ難関大になればなるほど文章の論旨は一貫しています。したがって問題にはちゃんと解法が存在します。解き方を自分のものする練習は最初はしんどいものです。ただ、徐々に慣れていけば自ずと接続詞や強調文に目が行くことになり、ここがポイントだなと理解できるようになります。
古文も同じです。音読と全訳は最初は苦しいものです。ですが、基礎トレーニングと同じで、やっていくと次の重さのダンベルがあげられるようになるように、どんどん難しい文章が読めるようになっていきます。そうすると、古文の知識が増え読むのが「楽しく」なっていき点数も上がっていきます。
私の授業を受けた子には、「楽しく」国語を学んでいってもらえればと思います!!
生徒アンケート
以下は生徒さんの塾を使った感想です🤗
- 担当講師と授業をした感想を教えて下さい。
阪大の問題の特徴や、問題を解くための背景の知識まで教えて下さり、過去問をベースに合格のための様々な知識をつけることができました。また、毎回勉強以外のこともお話しできて、授業がとても楽しみでした!
- 大学受験専用自習室について
静かな環境で、落ち着いて勉強ができて良かったです。夏は涼しく、冬は暖かく、とても快適でした。
- 通塾効果を教えて下さい
たくさんの過去問を解いたことで自信になりました!昨年の春に塾を探している時に、通学のしやすさに加え、先生方の優しさとアットホームな雰囲気に惹かれて入塾しました。本当に1年間楽しく勉強をすることができました!ありがとうございました!