「VAP選考入試」をご存知でしょうか。これは、聖霊中学での推薦入試のことです。
VAP入試は、一般入試と比べて、聖霊中学を第一志望校としているお子様にとって、もっとも入りやすい入試になります。
このブログは、聖霊中学を第一志望として受験したいと考えている方に向けて、VAP入試について解説していきます。以下には、動画での説明もあります。ぜひご参考にしてください。
VAP選考入試 合格の秘訣
以下はVAP入試について、3つに分けてお話していきます。
(1)VAP入試で大切なこと5点
(2)VAP入試の出題傾向と対策
(3)一般入試との兼ね合い
気になるところから読んでいただけたらと思います。
(1)VAP選考入試で大切なこと 5点
聖霊中学の入試での定員は1学年200名です。
200名は、VAP選考入試と一般入試での入学となりますが、VAP選考入試での入学者がほとんどとのことです。一方で、一般入試では別の女子校に合格していても聖霊には合格しなかった、という話も聞いたことがあります。そのため、やはり聖霊中学を第一志望とするならば、VAP選考入試での入学を目指すことが大切です。VAPで合格する、その準備として大切なことを5点以下に挙げていきます。
1. アドミッション・ポリシーの確認
小学校での充実した生活経験と、聖霊中学入学後の成長の可能性を併せ持っているか、という部分をホームページでよくご確認くださいませ。
2. 入学の意思
聖霊中学を第一志望校として、本人・保護者ともに聖霊中学の入学を確約できるか、よく話し合ったり調べたりしてください。もちろん、いきなり確約はできないと思います。そのため、小6になる前から、できれば小4、おそくとも小5の10月末、11月はじめの説明会には参加して、学校のことをよく知り、直接先生と話してみるとよいです。
3. 本人の資質
VAP選考入試とは、リフレクション力試験です。
言語理解力は発達段階に適うものであるか、学齢と照らしての考える力、自己を振り返ろうとする力があるか、そういう試験になります。以下の対策と傾向でも述べていきますが、日々の学習に前向きに取り組むことに加えて、自らのことを記述していくトレーニングが必要となります。→審査書類+リフレクション力試験で総合的に判断されるそうです。
4. 出願資格の確認
募集要項を確認しましょう。
入学するための条件があり、それをクリアしている必要があります。
また、サイトの募集要項だけでなく、説明会時の内容や、配布される資料で確かめておく必要があります。
5. 説明会に参加する
小5の10月か11月はじめ、あるいはそれより前から説明会やオープンキャンパスに参加するとよいです。
説明会やオープンキャンパスは、申し込みが必須であったり、人数制限があったりします。とくに体験授業は、参加したい科目の授業がある場合、申し込みが遅いといっぱいになっていて受講できない可能性があるため、HPでいつから参加申込がスタートするかなどを把握しておかなければなりません。
なお、小6、4月の説明会に出席しないと、VAPメイトに登録できず、入試に出遅れてしまう可能性があります。小6、4月の説明会は必ず参加することをおすすめします。以下のスケジュールをHPで確認することが必要となります。
(2)VAP選考入試→リフレクション力試験問題
1.「リフレクション」とは
reflection=反映・反射・反省・内省
内省とは自分の考えや行動、心の状態などを深く省みることを意味します。反省と似ていますが、自己成長の側面では内省の方が強い意味を持ちます。内省の具体例としては、次のようなものがあります。]
リフレクション力入試、と聞くと、難しい印象を受けます。ただ、実際には、入試において、課題文(詩)が読まれ、それに対して自分の感想や考えを筆記して説明できるか、という入試です。
聖霊中学の先生に「リフレクション力を鍛えるにはどうしたら良いですか?」と質問をしました。そうしましたら、「日記を書いてください」とのことでした。たしかに、日記はその日の出来事を振り返り、体験したことから、感想、意見を書いていくこととなります。
つまり、このリフレクション力試験では、自分の感じたこと、気持ちや感想に対して、理由や説明をする、それを文章にする、という力が必要になってきます。
2. 出題傾向
- 試験時間
45分 - 試験内容
詩が朗読(放送)された後、3つ質問が読まれます。
その質問の答えを記述していきます。
※課題文と質問は2回ずつ読まれます。 - 各質問について
<質問1>詩の中で気になった言葉を書きます。
<質問2>質問1で選んだ言葉について、その理由を説明します。
<質問3>質問1・2とは関係なく、個人的な経験の有無を聞かれます。 - ホームページで過去問確認できます。
2024年度VAP選考入試 リフレクション力試験問題
3. 対策
<全体>
- 放送される詩を読み取ったり、質問を聞き取ったりする訓練が必要です。
- 質問に対して、思考し、それをまとめて記述する力が必要です。
<質問1>
詩の中から気になった言葉を聞き取って書き留めます。
塾の先生などに詩を2回読んでもらい、気になった言葉を書き出す訓練をしましょう。
全然できない場合は、嫌にならない程度で毎日、ちょっとずつトレーニングをしていくのが良いです。
朗読される言葉を書き取っていく(速記する)、ということも、正確に言葉を記述するのに役立ちます。
<質問2>
質問1で選んだ言葉について、「何故、その言葉を書き出したのか」という理由を書きます。
以下の点に気をつけて書いていってください。
- 中心となる気持ちを決める。
「不思議な気持ちになった」「面白いと思った」「悲しい気持ちになった」など - 1で決めた気持ちに対する理由を考える。
以下の内容を参考にして、サポート文(理由や説明)を作成する
- 状況説明をする
5W1Hをもとに、自分の経験と結びつけていく
「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」 - 自身の経験を考える
似た状況の体験、あるいはそういった事実を見聞きしたことがないかなど、自分の記憶を辿って、似た感情になった経験を探し、それを記述する。 - 対比関係を考える
逆の場合どうなるか、ということを書く。 - 他者や社会への考え
自分だけの考えから、他の人に対しての思いやりや、現在の社会の状況へと発展させられると良い。
<質問3>
質問1,2とは関係のないことを質問され、その多くが、「はい」か「いいえ」で答えられます。
- 「はい」の場合は、具体的な経験をもとに、5W1Hを基本に説明
- 「いいえ」の場合は、もし「はい」であった場合に自分がどう感じるか、ということを考えて書いていく
<読んでおきたい詩>
過去の出題をみますと、2024年は日野原重明(キリスト教信者)さんの詩が出題されています。日野原さんはキリスト教信者であっとされています。また、2022年は金子みすゞさんの詩でした。このように、キリスト教の考え方や、女流作家の詩はチェックしておくとよいです。
まずは小学校の教科書に載っている詩はチェックしておきたいです。教科書レベルをしっかり理解することが大切です。以下の作家さんの作品もいくつか読んでおくと、「詩」の面白さを知るとともに、受験対策になっていきます。
今年(2024年)、新川和江さんがお亡くなりになりました。多くの人が、「名づけられた葉」や「私を束ねないで」という詩を読んだり、合唱で歌ったりしたことがあるかと思います。近年お亡くなりになった作家さんの文章が出題されることはよくあります。素晴らしい詩であるため、受験のためだけではなく、よく読んで学んでおきたいです。
詩を味わうとき、最初は大人の人、お家の人や塾の先生と一緒に進めたほうがいいと思います。ひとつひとつの言葉を正しく捉え、考えて、さまざまな意味を考えながら味わうとよいです。とくに、音読して、そこから好きな部分を書き出してみましょう。もしも書けない場合は、気になった部分を探して話し合ってみましょう。そして、なぜその言葉を選んだかを話し合っていくのが良いです。もしも書き出せそうなら、短い文で良いので、書いてみるのが良いです。箇条書きでもよいです。それをつなげて、だんだん長くかけるように訓練していきましょう。
(3)一般入試
一般入試の合格者は少ないそうです。何名か、公表されていません。VAP選考入試合格者の入学金納入締切の翌日が、一般入試の合格発表になっていますので、VAP選考入試の入学者が確定したら、一般入試の合格者が決まるのかな、と考えています。
また、一般入試では、淑徳や金城へ合格していても不合格になる、という事例を聞いております。入試問題は決して難しいものではありませんが、やはり聖霊中学を第一志望とするならば、VAPを利用した推薦入試がおすすめです。
なお、もしもVAP選考入試で出願したが、不合格だった場合、一般入試も受験できます。
まとめ
上記の内容はVAP入試の対策のヒントになる部分があると思いますので、聖霊中学を第一志望としている方は参考にしていただけたらと思います。